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「未央ちゃーん、お客様が到着したわよー!」
通路を少し進んだ先。
学校だった頃は事務員室として使われていたとおぼしき部屋の前で、碧さんは立ち止まる。
スライド式のドアを開け碧さんが中へ呼びかけると同時に、若い女性の声が返ってきたのがわかった。
中で何やらやり取りをする気配がした後、今度は内側からドアが開けられる。
出てきたのは、赤いシャツにジーパン姿の若い女性と、白髪の目立つ高齢の女性。
「どうもどうも、お待ちしてました!」
元気の良い声でミスオカ研メンバーを見渡してきたのは、赤い服を着た方の女性だ。
「今年最初のお客さんかぁ。みんな高校生なんだって?」
「はい、今日から四日間よろしくお願いします」
部長が軽くお辞儀をしたため、俺たち三人もそれに倣う。
「こちらこそ。あたしは流森 未央(ながもり みお)。ここの従業員だよ。呼ぶ時は未央ちゃんって呼んで良いからね」
陽気な性格なのか、流森と名乗った女性は笑みを絶やすことなく喋ると、後方に立つもう一人の人物へ首を曲げた。
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