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「え?」
「は?」
まるで微笑ましい光景でも見ているかのような眼差しを向ける由奈さんに、俺と桜は同時に間抜けな声を上げてしまう。
「だって、何か二人を見てるとただのクラスメイトとか同じ部の仲間ってだけじゃない感じがするのよね。付き合ってたりするの?」
「い……、いえいえいえ、そんなまさか。雄治とあたしは単なる幼なじみなだけです。付き合ってるとかそんなことは全くないです、あり得ないです」
顔の前で必死に手を振りながら、桜が即座に否定する。
「その、小さい頃から家が近所で毎日顔合わせたりしてきたんで、お互い今更気を遣うような関係でもないというか、そんな感じで」
「へぇ、幼なじみだったんだ?」
ちょっとだけ意外そうに目を大きくしながら、由奈さんは頷いた。
「でも、こうして同じ部に入って一緒に活動したりしてるんだから、仲が良いのは確かよね」
「いや、俺はこいつに無理矢理誘われて入部しただけなんで、別に好きで一緒に活動してるわけじゃないんですよ」
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