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そうこうしてるうちに、成瀬ちゃん達が立ちあがった。
今日は一段と早い。
「あー……もう行っちゃうよ」
戸川は顔を上げず、無反応だ。
その時。
成瀬ちゃんが相原君を見た。
(正確には“こちらの方を”見た)
「おい戸川!成瀬ちゃん、俺見てる」
やっぱり顔を上げない戸川の肩を興奮して小突いていると、成瀬ちゃんは目を伏せて視線を逸らした。
おお。あの恥ずかしそうな表情。
「初めて目が合った」
「へえ」
「成瀬ちゃん、やっぱ相原君がタイプなんだな」
「……お前、来週出張だよな?」
「うん。なんで?」
「来週は落ち着いて飯が食える」
「あー、悔しいんだ、戸川っち」
「おめでたい奴だな、ほんと」
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