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「そんな言い方ないだろ」
崎田さんは職場でも馴々しい唯ちゃんに仰け反り気味のくせに、対戸川になるとムキになってかばう。
唯ちゃんが勘違いするだけだし、戸川っちには勝てっこないんだから、よせばいいのに。
「昨日も書類に修正ありましたよ」
ほら、反撃食らうんだって。
昨日は唯ちゃんが食事をねだったので、二人は定時早々に帰っていった。
その後二人が作成した書類に不備が見つかり、課長に頼まれて戸川っちが修正処理をした。
崎田さんが不慣れなのと唯ちゃんのチェックの甘さが原因だけど、そんなことが度々ある。
「どんな目的で会社に来ようが小野寺の勝手だけどな」
わわ、やめてー、戸川っち!
唯ちゃんが半泣きで俯いてしまった。
「仕事には最低限の責任感は持つべきだろ。周りが迷惑なんだよ」
唯ちゃんを責めながら、言外に崎田さんが頼りないことを示唆してる気もする。
どっちにしろ、知らずとはいえ結果的に社食の仇討ちをしてるとこは、戸川っちの野性の本能かもしれない。
やっぱりさっきの社食の一幕を戸川っちに言うのやめることにした。
ごめんね成瀬ちゃん。
だって戸川っち怖いし。
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