相原君の戸川っち観察日記②

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「なーなー、片桐主任の態度見たか?あれって成瀬ちゃん狙ってんじゃないの?」 戸川っちはさらに不機嫌顔になって大きなため息をついた。 「早く食えよ」 「だって色々見たり考えたりするのに忙しいんだよ、俺も」 態度を崩さない奴の導火線に火を点けてみたりとか。 頭の中で付け足してたら、戸川っちが呆れたように立ち上がった。 「お先」 「あっ、ちょっと待っ」 ……置いていかれた。 ラーメンセットのチャーハンの残りをボソボソ掻き込みながら、戸川っちの背中を見送る。 戸川っちのキリリとした姿はひときわ人目をひいてて、すれ違う女子が何人も振り返っている。 中身は不器用なくせに得な奴だ。 相原君だって見てくれ的には互角じゃないかと思っ…… 「相原センパイ」 「ふぐっ」 一人取り残された俺の前に、意外すぎる人物が腰かけた。 渡辺由里ちゃんだ。 大概のことにはびっくりしない相原君だけど、渡辺由里ちゃんから「センパイ」付けで名前を呼ばれたことは記憶にないから、びっくりして飯が喉に詰まりかけた。
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