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「ちょっと、いいですか?」
「ハ、ハイ」
相原君はどう見てもヒマ。
ここで「ダメです」と言えるわけがない。
話の見当はついてるけど、由里ちゃんの静かな殺気に内心ビビる。
「さっき、戸川先輩はあの子達に何て言ったんですか?」
「……さっき?」
今はもういない悪口女子達の空席をチラリと見て由里ちゃんが言った。
「成瀬さんの悪口言ってましたよね、ここの人達が。戸川先輩、なんて言ったんですか?」
単刀直入に“成瀬さん”と名前を出してはっきり言った。
戸川への執心を隠しもしない。
「そうだっけ?」
別に勿体ぶることでもないけど、ヘラヘラ笑ってごまかした。
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