相原君の戸川っち観察日記②

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「いつも戸川先輩に引っ付いてるじゃないですか。何か聞いてますよね?」 つかまえたネギを口に放り込んでしゃぶりながら、丼の向こう側でカチカチいってる武器みたいな爪を指さした。 「その爪、髪洗う時痛そー」 由里ちゃんは一瞬俺を睨み付けた後、黙って立ち上がった。 「もういいです。お邪魔しました!」 それから、これまた武器みたいなヒールを鳴らして行ってしまった。 「げきたーい」 こんなことしてるから相原君の評判が落ちるんだよね。 でも、いいや。 なんか怖いしあの子。 そうか、こういうこと。 戸川が成瀬ちゃんと目を合わさない理由。 常に見張られてるからだ。 あの子やら、いろんな女子に。 それで成瀬ちゃんがイジメられるからだ。 ……ということは、やっぱり付き合ってるってことか。 いいなぁいいなぁ、戸川っち。 俺なんか、成瀬ちゃんと喋ったことすらないよ。 でも、大変だなと思う。 誰もが見とれる完璧王子の出現に、虎視眈々と綻びを狙う女子達。 戸川っち、守りきることが出来るだろうか。
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