相原君の戸川っち観察日記①

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フェロモン。 蜜のように女を吸い寄せる、掴みどころのないそれ。 触れずしてベッドを妄想させる、媚薬のようなそれ。 己を知る賢い俺はすぐに諦めた。 相原君のフィールドではないと。 しかし、そのフェロモンの奥義を探る、絶好の機会がやってきた。 二年間留学で不在だった戸川が帰国して、相原君のいる欧州部に来ることになったから。 よし。この機会に、靴底のガムのように奴にへばりついて観察してやるべし。 とは言っても、沈着冷静な戸川の観察なんてつまらなそうだけど。 と思いきや、戸川は着任初日から、面白いものを見せてくれた。 意外な相手とのバトルだ。
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