相原君の戸川っち観察日記②

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「あー、吐いたらすっきりした!飲むぞ飲むぞー」 「美香もうやめときなって」 その酒乱ぶりに恐れをなしてこっそり逃げ出そうとした俺を、重鎮様が目ざとく見つけた。 「こら相原!この役立たずめ」 「だって俺が女子トイレ入ったらまた変態野郎扱いじゃないすか」 「さーさー、相原も飲むよー」 またネクタイを掴まれる。 「いや俺、席に戻らないと」 「なんでよ?」 重鎮様の充血した目が怖い。 「戸川がピンチなんですよ。また渡辺さんに迫られて、それで」 「なにぃ?」 ぐん、とネクタイを引かれた。 「何でそれを早く言わないのよ?行くよ相原!急ぐよ急ぐよ」 ぐいぐい引かれ、体が捻れた横歩きで戻る後ろを、梨香子先輩が苦笑いでついてきた。 「苦労かけるね、相原」 労いの言葉に思わずクゥンと鳴きたくなる。
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