俊也の嫁入り

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「ケチッ!絢子さんのケチ!なんて意地の悪い!」 また泣かれたら煩いとか、そんな理由で立ち会いを拒否してるんだろうけど、それはズル過ぎる! 俺だって、我が子達の誕生の瞬間に立ち会いたいんだ! 俺がキッと絢子さんを睨むと、石にでもされそうな目つきで睨みかえされた。 「どアホ!私は意地悪で言ってるんじゃないわよっ! 病院の決まりよ!自然分娩の立ち会いは可能だけど、あそこは多胎児の出産は帝王切開で行うから、立ち会いが不可なんですって!」 「そ、そんなあぁ!!俺のねーちゃん、チビらを普通に産んでましたよ! だから、ねーちゃんのダンナも立ち会ったって言ってたし、絢子さんも同じとこで産めば良いのに…」 「あんたのお姉さんが行ってた病院はちょっと遠いのよ。それに最優先すべきは、無事に産む事でしょう?」 そう言われると、俺は再び「すいません」と言うしかなかった。 .
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