2914人が本棚に入れています
本棚に追加
「ケチッ!絢子さんのケチ!なんて意地の悪い!」
また泣かれたら煩いとか、そんな理由で立ち会いを拒否してるんだろうけど、それはズル過ぎる!
俺だって、我が子達の誕生の瞬間に立ち会いたいんだ!
俺がキッと絢子さんを睨むと、石にでもされそうな目つきで睨みかえされた。
「どアホ!私は意地悪で言ってるんじゃないわよっ!
病院の決まりよ!自然分娩の立ち会いは可能だけど、あそこは多胎児の出産は帝王切開で行うから、立ち会いが不可なんですって!」
「そ、そんなあぁ!!俺のねーちゃん、チビらを普通に産んでましたよ!
だから、ねーちゃんのダンナも立ち会ったって言ってたし、絢子さんも同じとこで産めば良いのに…」
「あんたのお姉さんが行ってた病院はちょっと遠いのよ。それに最優先すべきは、無事に産む事でしょう?」
そう言われると、俺は再び「すいません」と言うしかなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!