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「おめでとうございます!」
ブルーな絢子さんから半ば無理矢理奪い取った婚姻届を提出して、それが受理されると、役所の人がそう言ってくれた。
……あぁ、俺、ほんとに結婚したんだ。
もう“中村俊也”じゃないんだ。
たった今から、“川田俊也”になったんだ!
胸がキューーンと締め付けられるのに、何故かちょっとだけくすぐったい気持ちになった。
大好きな絢子さんと同じ名字になっただなんて、嬉しいとしか言い様がない。
これを感無量というんだろう。
絢子さんも同じ気持ちだともっと嬉しいな!
そう思ってチラッと隣を盗み見すると、塩粒1つ程の喜びすら感じられない絢子さんがいた。
「……あの、離婚届けください」
「「はっ??」」
ちょーーーっ!!何言ってんの!?
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