俊也の嫁入り

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病院に着くと、紹介状を持って予約はしていたけど、待ち時間が結構長かった。 その間、俺はマタニティ向けの雑誌を読んでパパになる勉強をし、絢子さんはマタニティウェアやグッズが載っている通販雑誌を読んでいた。 「これ通勤にいけるわね。買おう!」 隣にいる俺にではなく、多分独り言だろう。 ボソッとそんな事を呟いていた。 お腹に2人もいるせいだろう。 今は4ヶ月目だけど、早くも妊婦さんらしくお腹が目立ち始めていた。 それで最近は服をよく買っている。 でも、まだつわりで辛いらしく、買い物は専らネットや通販だ。 それで服を買うのは初めてだと言っていた。 そんな調子だから、通勤以外で一緒に外に出たのは今日が久しぶりだった。 「病院終わったら、お昼どっかに食べに行きません?」 その程度なら、久しぶりにデートっぽく出掛けても大丈夫だろう。 絢子さんも雑誌から視線を外し、『そうね』と軽く頷いた。 .
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