青の階段

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「じゃあね!文化祭にはきてよ!」 「おう、来月だろ?」 お父さんの車を見送り、寮に戻ると ヒョロッとした制服姿の男の子が玄関をウロウロしていた。 「あ」 「広人くん?!」 なんで、こんなところに?! 「朝、起きたらもういなかったからさ」 「メールしなよー」 「………………」 寮へ戻る生徒たちが、広人くんをジロジロ見て、彼もソワソワしていた。 この人、目立つなぁ。 「ちょっと、心配だったから」 「え?何が」 今は、ちょっと悪そうなかっこつけの男の子だけど…… 「学校から、寮までの道のり、 また、あのおっさんが彷徨いてないかと思って」 「……やだ、怖いこと言わないでよ だけど、たった数十メートルだよ?大丈夫よ」 「それもそうだと思ったんだけど、 それと」 この人、あと数年たったら、とてもカッコいい大人になるんじゃないかと思った。 「……それと?」 私は、本物には会ったことないのだけれど、 「寂しがってるんじゃないかと思って。いろいろ」 「……………………」 あの、″祐紀 ″さんに、広人君が似ているから。 「…………寂しくないよ、そんな子供じゃないよ」 「嘘つけ、ファザコンのくせに」 直也さんと由美さんは、 今の彼が見えていたのかな? 「もう、お父さん は卒業したの」 こんなに、 肩幅も、 手のひらも、 「俺、早馬さんより、でかい男になるから」 身体から にじみ出る 心の広い男の子に成長するって……____ 「期待してる」 ″ 広人 ″ くんていう、 素敵な男の子に、 生まれて初めて、 抱き締められた。 恋するって、 楽しいね、
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