青の階段

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「早くしろよ!てめ、いつまで化粧に時間かけてんだよ?!」 俺が、高校を卒業した春、 また新たな門出を迎える人達がいる。 「広人!今、あんた、母さんに向かって、″てめ″ って言ったね!」 「言いたくなるさ、主役でもないのに、なぁに厚く塗りたくってんだよ?メイクじゃシワなんか隠れねーよ」 母さんは、歳に相応しくないポニーテールをし、頑張って若作りをしている。 「……早馬の会社に就職できたからって、調子にのってんじゃないわよ! あんたのケツの青アザ、まだ残ってるの知ってるんだからね!」 「レベルの低い脅しかけてねーで、ほら、皆待ってるから、行くぞ」 「そんな、ちゃんとした結婚式じゃないんだからさ、ちょっとくらい遅れたって…………」 「そんなんだから、すぐに男にフラレるんだよ!」 「式が終わったら覚悟しなよ」 母さんは、市役所で働いてた 男とも、 1ヶ月前に別れてしまっていた。 「しかし、式場、めちゃくちゃ近所なんですけど」 今日は、肌寒さも感じない晴れ具合で、暖かい日差しが、 早馬さんと亜子さんの門出を祝福しているみたいだ。 「広人、近いんだから、車飛ばさなくていいって!!」 俺と母さんは、 車で10分もかからないお祝いの場所へ慌ただしく向かう。 そこは、 なんと、 母さんたちの母校だった。
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