青の階段

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「式場代をケチったわけじゃないんだってさ」 懐かしい学校をまるで子供のようにウロウロする大人たち。 「こんなキレイな学校なのにねぇ」 3月より閉鎖してしまう学校を、 県立の養護施設として再生しようとする、商工会議所や青年団のリーダー的活動をする早馬さん、 1日だけ、 自由に使えるように許可をもらったらしい。 仕事が成功したら、案外、思うように事が運ぶもんだと、19才になった俺でさえも痛感。 中学時代、勉強しなかった人が 落ちこぼれになるとは限らない。 「一応、受け付けしてますよー」 亜子さんの同僚の看護師さんが、 生徒たちの机をくっつけて受付をしてくれていた。 とても可愛い人で、 崎谷のおっさんが、そこから、なかなか動かずにいたから、 「邪魔だよ」 母さんと一緒に、蹴りをいれてやった。 「広人くん!」
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