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「佳苗、そんなヒールで、階段かけ降りるなよ、転んでしまうぞ」
青翔は、学校の階段を気に入ったのか
後ろで、一人で【グ リ コ】をやっている。
「大島………じゃなくて、亜子さん見てたら、なんか急に寂しくなっちゃって」
階段で立ち止まる佳苗の背中が、
微かに震えてるように見えた。
自分の父親が、
母親は生きているのに、他の女と結婚をする。
賛成した結果でも、
いざとなると、心にポッカリ穴が空くのかもしれない。
「分かるよ、
例え 父さんが既に亡くなった俺でも、
母さんが恋人に夢中になってたら、やっぱり、『クソ女!』って思ってしまったし………」
振り返らない、
佳苗のワンピースから見えた、素肌の背中が、
とても華奢で、
抱き締めたくなった。
「お前には、俺がいるじゃん」
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