青の階段

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「お前には、俺がいるじゃん」 まだ、 キスしかしたことない彼女だけど、 今まで付き合ってきた女の子達とは違う気高さ さえある佳苗。 青翔が見ていなければ、抱き締めてキスしたいと思うほど その白い背中が、艶かで愛しい。 「………………広人くんは、 早死にしないでね」 「………え?」 ドキッとさせる言葉が聞こえて、 泣いているかと思ったのに、 階段下から、俺を見上げた佳苗は、 ……… 笑ってた。 「ひろとにいちゃん、ここ、お絵描きいっぱいだよ!」 なんだか、急に胸がギュッとなったところへ、青翔が、 屋上に手前の踊り場の壁の落書きを指差している。 20年近く前の、 落書きだった。 俺は、 その愛しい、名前達の前で 動けなくなった。 image=479705386.jpg
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