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「うん、春とはいえ、暖房なしの学校は寒いよね、みんな寒くないかな？」
″ 母校で、みんなとお祝いしたい ″
小林君が、そういったとき、
始めは、かなり難しいと思った。
「皆は長袖だし、会場はストーブなんかあるんだよな！」
「昔、職員室だけにあったやつでしょ？」
「そそ！あれ、ずるい！と思ったもんなぁ」
廃校になった学校を借りることも、
式場やホテルでもないから、
皆に美味しい物を口にしてもらえないことも、
そして、
小林君が、再々婚だということと、
六年前の事件が尾を引いて
私の結婚を、みんなが心から祝福してくれるか、
とても不安だったから。
「みんな、
ここだから、
余計に来たかったんだよ」
楽しいことも、
辛かったことも
色んな思い出をつめこんだまま、
私たちの母校は、
二年後、新しい姿で生まれ変わる。
「そろそろ、俺たちも行こうか」
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