第0話

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『ケホケホ…』 首「リクト様!! 悪化してしまいますから中へお入り下さい」 『あぁ…』 首「食欲が無いのですか?」 もう夕方になるのに昼餉に全くといっても良いほどに手をつけないリクトに首無は問いかける 『なんかな… ケホケホ…』 咳をしだしたリクトの背中を優しく撫でながら鴆を呼ぶべきかと悩む 『鴆は最近調子悪いらしいから呼ばないでやってくれ …それに薬ならある』 首「そう…ですか」 『首無は本当に過保護だな』 首「そうですか?」 『無自覚か…』 ガラッ 「にいちゃん!!」 『リクオ… おかえり』 リク「ただいまっ!! 今日はね、皆でね鬼ごっこしたの」 『楽しかったか?』 リク「うん!!」 『そう じゃあ、手を洗って着替えておいで』 リク「はーい」 ピシャッ 『…』 首「リクト様…?」 『リクオが元気で …いや無事でよかった』 首「っ!!」 『…そんな顔しないでくれ それに、そんな顔してたら父さんに茶化されるぞ』 首「っ…はい」 ―首無 side リクト様はお強い…でも弱い あの事件の前から大人びていたリクト様は更に大人びるようになった 甘えもせず、我が儘も言わず、泣きもせず… 呪いによる痛みや苦しみさえ口に出さない 直ぐ感情を隠すリクト様を見ていると不安でたまらない 私にくらい頼ってください ―首無 side end
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