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「よう、少年!待ったか?」
来た!待ちに待ったこの瞬間、嬉しくって楽しみで、まるでプレゼントを貰う子供の様な目をしているんだろう
「早速行きますか時間旅行」
「ちょっと待って、行く前に君の名前を教えてよ」
逸る気持ちを抑え聞いてみた
「私は朱鷺だ、名前なんて無いし要らない」
「んー、それじゃ呼ぶ時に不便だよ」
「なら君が私に付ければ良い」
「ぼ、僕が!?」
急にフラれたもんだから結構困った
キョロキョロと周りを見て何か良いものはないかと探す
目に入ってきたのはいつも石段から眺めていたあの夕日だった
「んー、ノスタルジー…ノルジー…いまいち…夕暮れ…夕暮れに羽…うん、決めた暮羽(くれは)、君の名前は今日から暮羽ね」
「暮羽?変な名前センスの欠片も感じないなぁ」
「急だったから仕方ないだろ」
「まぁ良いよ、それより今日はどこに行くんだ?」
僕はそれから毎日、同じ時間、同じ場所で暮羽と一緒に過ごすのが日課となった
毎日が楽しい、たったこれだけの楽しみで僕の気持ちが充たされていった
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