僕の思い出をこれから話そう

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「これを持っていれば良いの?」 そう聞くと暮羽はコクリと頷いた 僕が砂時計を拾ったのを見ると朱鷺たちの群れの中に入っていく グァーグァーと何かを話してる光景が僕は、おばちゃん達の井戸端会議のようにしか見えなかった しばらくすると暮羽が数羽を連れて戻ってきた 野生の朱鷺たちは僕の姿を見ると警戒したが暮羽がどうやら説得してくれたらしく、すぐに警戒心を解いてくれた 「グァー」 ツンツンと砂時計をツツき一鳴きする 「放り上げれば良いんだよね?」 「グァー」 空高く砂時計を放り上げる そして不思議な空間が広がり、空間が戻るとさっきの山の中に戻った 朱鷺達は初めこそ戸惑っていたが、徐々に山の奥や空に飛んで行った 「上手くいったな!」 いつの間にか人の姿に戻っていた暮羽 その顔は、その声は喜びに溢れていた 「魔法使いじゃなくても、使えるんだね」 「どうだろうな、君に魔法使いの素質でもあったのかもな」 ふふっと笑うその顔につられて僕も笑ってしまう 魔法なんて信じていなかった僕にはしっくりはこないけど、暮羽が言うなら本当にあるのかも
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