僕の思い出をこれから話そう

8/24
前へ
/24ページ
次へ
見るも不思議な空間 水中だが空中の様な浮遊感 それに爽やかな風を感じる 宇宙の様に深い闇の色 だけど昼間の様な明るさ キラキラと色とりどりに光る砂 何とも言い難い感覚…いや感触?とにかくそんな表現出来ない空間に飛び込んだ様だ 「さて、君はどんな時間が視たい?」 「どんな時間って言われても」 「質問が悪かったな、どんな時代が視たい?地球の産まれた時から今までの時間なら好きな所に行けるぞ」 あまりにも信じがたい現実に僕は悩んだ この力は本物なのかと 「なら3日前の僕とかは?」 「そんなんで良いの?つまんないだろそんなの」 「君の力が本物かどうか確かめる為だよ」 「疑り深いなぁ」 彼女は眉をひそめ砂時計をクルリと回した グニャリと空間が捻れ、形を成す 気がつくと目の前には学校があった、時刻は夕暮れ、そしてつまらなそうな顔をした僕が目の前に現れた あの時は確か校門で一回躓いて、周りの誰も僕には見向きもしなかった 思い出と共に目の前の僕にその現実が襲いかかる 躓いた僕、見向きもしない人々 あの時と全く同じだった 「どう?私の力信じてくれた?」 「後一回」 女の子はハァと溜め息を吐きながらまた何日か前の僕の前へ やはり僕だ、あの時の僕だ
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加