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見るも不思議な空間
水中だが空中の様な浮遊感
それに爽やかな風を感じる
宇宙の様に深い闇の色
だけど昼間の様な明るさ
キラキラと色とりどりに光る砂
何とも言い難い感覚…いや感触?とにかくそんな表現出来ない空間に飛び込んだ様だ
「さて、君はどんな時間が視たい?」
「どんな時間って言われても」
「質問が悪かったな、どんな時代が視たい?地球の産まれた時から今までの時間なら好きな所に行けるぞ」
あまりにも信じがたい現実に僕は悩んだ
この力は本物なのかと
「なら3日前の僕とかは?」
「そんなんで良いの?つまんないだろそんなの」
「君の力が本物かどうか確かめる為だよ」
「疑り深いなぁ」
彼女は眉をひそめ砂時計をクルリと回した
グニャリと空間が捻れ、形を成す
気がつくと目の前には学校があった、時刻は夕暮れ、そしてつまらなそうな顔をした僕が目の前に現れた
あの時は確か校門で一回躓いて、周りの誰も僕には見向きもしなかった
思い出と共に目の前の僕にその現実が襲いかかる
躓いた僕、見向きもしない人々
あの時と全く同じだった
「どう?私の力信じてくれた?」
「後一回」
女の子はハァと溜め息を吐きながらまた何日か前の僕の前へ
やはり僕だ、あの時の僕だ
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