序章

2/2
前へ
/9ページ
次へ
この体が憎い何度そう思っただろうか。 流れている君の涙を拭うことでさえできない。 にゃー『泣かないで』 この思いは届かない。 にゃーにゃー『笑ってよねえ』 君は僕を睨みそして声をあげる。 「五月蝿い!」と。 にゃー『ごめんなさい』 「五月蝿いっていてるんだろ!!」 僕が人間だったら、君の涙を笑顔に変えられるのかな? 僕が人間だったら、君は生きていてよかったと笑ってくれるかな? 人間になりたいよ。 君と同じになりたい。 君の涙を見ているうちにいつからか、僕はそう思うようになっていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加