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目覚めると公園のベンチに座っていた。
雨が降っているせいでか、何もかもがびしょびしょになっている。
これからどうすればいいかな、そう考えていると不意に見覚えのある顔を見つけた。
必死に何かを探しているようでびしょ濡れになっている祐斗を。
とにかく嬉しくなって、祐斗に抱きついた。
そう、今の姿では初対面であることを忘れて。
「うわぁぁ」
そのまま泥々になっている地面に二人そろってたおれこむ。
「よかった会えて」
嬉しすぎて涙が溢れてくる、そんな僕を見て祐斗は冷たい眼差しを向けた。
「お前誰だよ、てかその首のやつ何でお前が着けてるんだ」
「首?」
触ってみるとそこには首輪がついていた。
「そこで拾ったから着けてみたんだ」
自分の今の姿に気づき、慌てて思いっきり苦しい言い訳を言ってしまった。
あえて本当のことは告げない、僕がソラだって信じてくれるとは思わないから。
「お前頭可笑しいんじゃないか」
何が可笑しいのか笑いながら言う。
笑ってくれた……
この体を手にいれてよかった、嬉しさで涙がよけい止まらなくなる。
例え悲しみに染まった笑みでも、笑ってくれたことに代わり無いから。
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