プロローグ

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「…蓮…起きてる?」 「――ん、…起きてるよ」 「………蓮?」 「なに?」 「――大好き」 遠ざかっていた意識を手繰り寄せ、 彼女を抱きしめる腕に少し力を込める。 片手で救った髪を梳きながら、ゆっくりと香澄に訊ねた。 「……なにが欲しいの? 14日」 香澄が体をこちらに向き直したと同時に 俺の手の中から髪がベッドに流れる。 「うーん…、  美味しいチョコレートと、そうだな…  蓮の一日かな」 そう言って俺を腕の中から見上げたと同時に その額に唇をつけて言葉を紡いだ。 「――――了解、香澄」
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