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香澄へ
あれから何年も経つけど、今香澄はどうしてるだろう。
元気にしてるだろうか、
そっちで上手くやってるんだろうか。
俺はといえば、笑えるくらい香澄を引き摺ったよ。
…ホントやめてよ あんな忘れられない別れ方。
今更だけど、俺を振るならもっとちゃんと振って
おかげで一人になると香澄の事ばかり浮かんで、毎日飲んで過ごしたよ。
自分で嫌になるくらい
香澄の匂いやしぐさ……全部覚えてて、
もう会わないと分かってるのに……、
ホント忘れられなくて、
戻れないと分かってても、
それなのに自分の心に嘘はつけなくて、
もう一度、
もう一度もしかしたら香澄が戻ってくるって、
…俺を好きだって―――、
そんな事を 何度も何度も思った。
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