王道転校生を教室に連れていくだけの筈がどうしてこうなった

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  「失礼しまーす」 「…藤原、咲坂……さっきからお前達は何してんだ…?」 出たり入ったりと、って入り口付近に居る教師に呆れたような目で語られる。 そんな事言われてもー。 「ちょっと星宮ティーチャーのおつかいでしてー」 「星宮先生…?2-Sか…。 …もしかして転校生の事か?」 「そうそう、転校生連れて来いって言われたんですよ。 理事長室に居る、みたいな感じで聞いてたんですけど…まさかアレですか?」 何やら喚いている、正しく王道転校生!な格好をしいてる黒マリモを指さす。 違いますよーに、っていう俺の儚い願いは…教師の次の言葉によって砕け散った。 そりゃもう粉々に、な…。 「あぁ、そうだ。 自分の担任は誰だっ!早く教室に案内しろよっ!と喚きたてていて正直迷惑しているんだ」 頭を抱えて辟易している教師。 うっはー、予感的中ーっ! 嫌な予感が的中しても、全く嬉しくねーなバカヤローっ! 「…そうッスか…。まぁ、頑張って下さい。それじゃあ俺達はこれで…」 と、クルッと踵を返してエスケープを試みる、も… 「…あぁ…がんば……って待ちなさい!迎えに来たんなら引き取って、ホントお願いだから」 寸でのところで先生にガシッと腕を捕獲され、逃走失敗。 …正直、先生のこんな必死な顔初めて見たよ…俺は。 すがるよう…ってか、教師に本気ですがられると、ちょっと吃驚するね。  
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