5317人が本棚に入れています
本棚に追加
…さっきの、男の俺がニャーーーーンってちょっと気色悪かった、まる
気分を害した方、ごめんなさい。猫チョイスしたこと、少し後悔しているから、石は投げないで。
とか現実逃避していたら、俺を捕まえた女子が可愛い言いながらあちこちを撫でてくる。
椿「ニャァァ!?(って、ちょっ、うぉぅっっ!?ちょいとっ!?アンタッ!!どこ触ってるんだ!!)」
「うわぁぁ!!フワフワだ!!可愛いねぇ~…おや?君は雄なのかい?」
ぬぉぉぉ!?その手、下ろさんかぁぁ!!
椿「フシャーー!!」
ガリッ
「痛っ!?」
俺は猫の鋭い爪で攻撃、逃亡を図った。
椿「ニャー!!(逃げるが勝ちだ!!)」
俺は取り敢えず、女子の視界に入らないところまで駆け抜けた。それはもう、必死で。だから、
「あーぁ、行っちゃった。もっと撫でたかったのになぁ…
あーヤバ、授業始まってるじゃん。魔法薬草の教室ってどこだったかな~?生徒たち、怒ってないと良いのになぁ~」
…と言う女子の呟きでさえ、その時の俺は聞き逃してしまったんだ。
―――――――――――――
――――――――――――
――――――――――
あの後、俺は気配を完全に消してうろちょろしていた。そうしたら、学園内にある中庭にたどり着いた。
休もうと思い木陰に入ると、
『アンタ、見ない顔だな』
…木の上か。見上げると、
椿『なんだ、ただの猫又か』
濃い茶色の毛並みで尻尾が2つに別れた猫が、優美な態度で木の枝にいた。
最初のコメントを投稿しよう!