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~椿side~
姐さんと別れてしばらく校内をうろついた俺は、授業が終わりそうになったので教室に戻った。
教室を出て結構時間は経っていたはずだけど、教師らしき姿は見当たらない。
フラスコいじりに夢中になっているジークのとなりにそっと腰かけるが、全くこちらに気づかない。
邪魔するのは悪いと思ったので、ボーッと過ごした。
…そういえば
交配させて作った毒花の使い道はどうするべきか…
それと、寮長にかけた呪いの効果はどうなってんだろう…
ま、時間がたてば消える呪いだし、寮長死亡説を聞いた記憶もないし、いっか。
それに今日の晩飯、何にしようか…
等と、下らないことを考えていると、いつの間にか授業終了の鐘が鳴った。
午前中は補修、午後からはもう俺は帰ってもいいようだ。
試験上位25名のみの特権だ。
勿論、残って午後からの補修を受けてもいいらしい。
しかし俺は帰る。
椿「ジーク、授業はもう終わったぞ。俺はもう帰るから、フラスコ返せ」
ジーク「え?…えぇっ!?もうそんな時間?
…結局この中身の正体が分からなかったし…ツバキ、コレ僕にくれないかな!?
どうしてもこの赤い物質を突き止めて、自分でも作れるようにしたいんだ!!」
こういうのって、研究熱心?知識探求?その他?
ま、どれでもいいけど。
ついでにフラスコも別に俺にとっては必要なものでもないし。
椿「ドーゾドーゾ~。好きに使え。
でもぶっかけて良い相手は勇者だけだからな~」
ジーク「え、王女を敵に回せってこと?」
椿「ジョーダンだよ。
でもそれ、殺傷能力は(多分)無いから。
殺すつもりはないけど、滅茶苦茶スッゲー腹立つ奴にかけるのにもってこいの一品だ」
ジーク「分かったよ。ありがとう」
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