夏休み そのⅠ

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~全帝side~ カナメの隣にいた黒いコートを着た男の体が、ゆっくりと後ろに傾く。 要「っ!?おい!!」 彼の手に持っていたアイスは重力に逆らわずに、ポトリと落ちる。 彼の顔は見えない。彼はピクリとも動かない。 …嘘だろ? 「ヒッ…イヤァァァァ!!」 誰かが叫ぶ。 それが口火を切った。 あちこち、主に婦人や子供達が泣き始めた。 人質達も騒ぎ出して、不審者のなかには明らかに動揺する者も多く出始める。 不審者「ち、うるせぇ!!黙ってろ…」 「イヤァァァ!!」 不審者「言うことを聞かねぇと、お前もぶっ殺す… 「ウワアァーーン!!」 子供達は恐怖で周りの言葉を聞かない。 不審者「チッ、黙r… 「空間魔法“チェンジスペース”」…なにっ!?」 カナメの足元には空間魔法の魔方陣が現れている。 紫色の光が辺りを一瞬染め、再び視界が回復して慌てて侵入者達を見ると… 不審者「…チッ、今のは何だ… って!? 人質がいねぇ!?」 貴族「ロン!?ど、どこに行った!?どこへやった!? 返すと言っただろう!?」 …人質となった子供、メイドがいない。 カナメの魔法か?彼は、空間魔法を使いこなせるようになったのか? いや、今はそんなことはどうでも良い!! 全帝[帝に命じる、この隙に敵を捕獲しろ!] 帝’s[了解!(御意!)(分かったわ!)(誰に命令してるのよ、格下!!)]
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