夏休み そのⅠ

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椿「は?じゃないって。 人質は早めに解放させた方がいいと思って、やってみた。 それは空間魔法を使える要にならできると思った。 だが要はあの人数を正確に、かつ短時間で別の空間に移動させるには、経験が足りないらしい。 で、俺が撃たれて客が動揺する→ 不審者も動揺する→ 人質への注意不足に繋がる→ あれ?これって隙になるんじゃねね?→ よし要、君に決めた! って感じ」 アイスを食べ始めたときは、なにコイツって思ったけど、撃たれてすぐにこの事を念話で伝えてきた。 要「まさか、本当に不審者達が動揺するとは思わなかったがな」 全帝「そうだ。 上手く行ったから良かったものの、もし敵が逆上していたら…!」 椿「そうだな。 普通、城に侵入しちまう不審者はそんなことでは動揺しねぇだろうな。 けど、あのよく喋っていた奴以外はたいして実力はなかった。 下端だと思ったから、イケる!と思った」 全帝「下端だという根拠は?」 椿「勘。と、アイツらの動悸の鼓動の異常な早さ、大量の発汗量、短い呼吸。 アイツらは緊張していた。ガチガチにな。 だから突然の事態や騒ぎが起これば動揺を誘えると思った。 人質になっていた子供達に聞けば、不審者達が気色悪いくらいハァハァ言ってたって証言してくれると思うぜ?」 全帝「動悸に汗に呼吸? そんなの、あの距離でわかるものじゃない。少なくとも人間はな。 まぁ、後で子供達の話は聞くがな」 スミマセン、全帝。 コイツは人間じゃありません。 五感が人間とは比べられないほど、発達してる奴です。 光帝「それで、人質の子供達とメイドさんは…!?」 要「あ、人質達は元々いた場所に戻しました。 だから大丈夫です」 光帝「良かった…」
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