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どうやら、彼女の持っている双眼鏡を誰かが、後ろから手で隠したようだ。
怪訝に思いながらも、双眼鏡から目を離し、後ろに立つ人物を見る。
すると、そこに立っていた人物は、シャルルを冷めたようなオーラを放ちながら無表情かつ無言で見下ろしていた。
「そんな目で見るのは、やめてよ姿!はあはあはあはあ・・・興奮するじゃない!」
普通なら、しょげるような場面なのだが、この変態のには、それがいい感じの刺激のようだった。
そう言われると、姿と呼ばれた少年は、大きくため息を一つ吐くと、口を開く。
「授業開始時刻が迫ってるってのに・・・教室にすら姿を見せないから・・・・探しに来てみれば・・・」
依然として、冷めたような、呆れたような瞳を向けるこの少年こそ、姿である。
黒い髪に紅色の目で、クールさを感じさせる顔つきの美少年だ。
「シャルル・・・・流石に、お前でもシャロンのパンツがなんだのってのは・・・聞き逃せないな・・・」
そう言うと、少し眉をしかめる。
「へっへっへ またまたぁ♪そんなこと言っちゃって~♪本当は、シャロンちゃんのパンツの色が知りたいんだろう?ん?」
ニヨニヨと、笑いながら、姿の肩に、手をかけ、寄りかかりながらそんな事をいう。
身長が足りないのか、浮遊して、わざわざ肩に手をかけているようだ。
すると、姿は、少しキョロキョロと目線をそらしながら、否定する。
「別に・・・俺は、そんなこと全く考えてなんか・・・いや・・・まぁ、全くじゃないけどさ・・・」
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