手ブラの若者

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「待てやゴラァ!!」 「待たんかいワレェぇぇ!!」 追いかける3人は物騒な奇声を発しながら前の若者を追いかけていく。 「おぃおぃ…、物騒な街だな…」 都会という所に慣れない俺は、これが都会の日常なのかとすら思っていた。 『あの若者は何をしでかしたんだろうな…』 見た目、年齢的にも俺とあまり変わらないぐらいだった。 それなのにあんなヤクザみたいな連中に追い回されるなんて余程何かしでかしたのだろう。 その若者に少し同情すらしながらも、 「それにしてもどこに行けばいいんだ?」 立ち並ぶビルを見上げながら、宛もなく東京に来た俺はその場で立ち尽くしていた。
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