新人いびり

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「何かあったんか?」 裏に下がった俺は口直しに水を流し込んでいた。 そんな中でタイガが俺に話しかけてくる。 「いえ、何もありません…」 ここでチクッてしまえば余計にひどくなる。 それは俺の第六感がそう言っていた。 「ホンマかいな?なんかお前のいたテーブルの連中、ハルに引いとったで?」 「そうですか?得に何もありませんけど?」 「そんならええけど…、何かあればすぐ言うんやで?」 相変わらずのいいヤツっぷりを発揮するタイガ。 店に来てすぐに入口にあったナンバーを見ると、タイガは店でNo.3。 ランキング上位者となるとそれぞれ何かが違うものなのだろう…。 勝手にそう思い込みながらも、残った仕事を片付ける。 中には良い連中も確かにいる。 しかし、腐った連中からの嫌がらせは、それからも毎日のように店で…、寮で…、共に続いた。
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