そのいち

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 俺のことを理解しているというこのバカは────田村 陸(タムラリク)。大してイケメンでもイイ男でもない癖に何故かモテてしまう男子の天敵だ。俺は僻んでるわけではないが。  身長は二年生にしては若干小柄で、いかにも『便り無さそう』というオーラを放出している。髪の色は黒。 「俺のことを理解している、だと?」 「そうだよ。校内一の怠け者」  いつの間にか一位に立ってしまっていたか。別に授業自体はちゃんと出て、提出物をしているのに酷い扱いだ。  怠け者であることは否定しないがな。 「ほう。たったそれだけか」 「う……他にもあるよ」 「なら言って見ろよ。俺の好物、俺の初恋の相手、俺の今日のパンツの色」 「……パンツの色は関係ないんじゃない?」
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