1章

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「ただいまー!あ、七緒ちゃん来てたのー?」 その時、足音と共にひょこっと悟空くんがドアから顔を覗かせた。 「おかえりー。勉強頑張った?」 「頑張った!」 ぎゅー、と抱き付かれる。 「こら。人妻に抱きつかない」 「いいよいいよ、優花さん」 「ほんと……女の子大好きで困ってるの」 「ママ!おれは女の子が好きなんじゃない。七緒ちゃんが好きなんだ!」 「「!」」 な、なんつー男前なセリフ。 「でも七緒さんは結婚してるのよ、結婚!しかも相手は島一番のイケメン稲森先生。悟空はひとっっっつも勝てる要素ないじゃない」 「そんな事ない!ママの馬鹿!」 お、親子の真っ向勝負だ。 私はチラッと時計を見る。 時計は15時を少し過ぎた所だ。
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