1章

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「……今度の休み一緒に家具見に行こうよ」 体勢を反転させて、真白の上に跨ぐように乗っかる。 「いいの?面倒くさいんでしょ?」 「面倒くさいけど、デートも兼ねて行こう」 「……デート」 「うん」 「嬉しい。デートなんて久々だね。服どうしようかな」 「……」 何で私は時々、綺麗な奥さんをもらったような感覚になるのだろうか。 「何着てもカッコイイよ」 「そう?」 「うん」 私のパーカーとかもフツーに着れちゃうし、今も着てる。 ……そう、今も着ている。 私が着るとただのしまむらのパーカーなのに、真白が着ると海外物のブランドパーカーに見える。 「でも、デート楽しみ」 「……」 スピード結婚だったからあんまりデートもした事ないんだよね。 「そんなに?」 「うん。楽しみだよ……楽しみじゃないの?」 「楽しみだけど一緒に暮らしてるから、久々に会えるっていうドキドキ感はないじゃん」 「え」 「ん?」 あからさまに寂しそうな表情をされて戸惑う。
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