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――――…こーきぃ。やっぱり子供二人じゃ入れなかったねー…
――――…がっかりすんなよ!…おっきくなったらまたここにつれてきてやるから!約束な?
――――………うんっ約束っ!
小さい頃、約束した場所は―――――……
走りながら浩輝のことを考える。
ドックン、ドックン
胸がキュウウと締め付けられて思わず服の裾を掴む。
こんな感じ、浩輝にしかさせられなかった。
――――……これの正体は…
「――……っはぁっ…はぁっ…」
やっとついた"あの場所"
小さい頃とは違って大きかったのがすこし小さく見える広場。
遊園地の目の前。
僕は走って意味のなくなった傘を閉じた。そしてお目当ての人物を探す。
「………っ」
だが、その姿は見当たらない。
――――…当たり前だ。約束の時間から三時間もたっている。
こんな大雨だし…待ってるわけない…か…
………と、帰ろうと振り向いたときだった。
チケット売り場の近くの木の近く
――――……浩輝だ。
三時間も。三時間も待ってたの?
僕のことを?
なんで?
―――――……好きだから?
僕はなにも言わず静かに浩輝の後ろに近寄ると。――――…後ろからぎゅっと腰にてを巻き付けて顔を埋めながら抱きついた。
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