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6月19日、水曜。台風の風。
朝、カーテンを開けると、愛犬がやって来た。
ベランダの横に、彼の部屋はある。
私の部屋の、南側に面したベランダに、気が向くとヒョイッと現れる。
う~ん、とうなりながら、前足から後ろ足まで順に伸ばしてゆき、おはようの挨拶をする。
おはよう、と言って愛犬の頭を撫でる。
ナデナデ。いいコ、いいコ。
最近の日課は、目やにこすり。
どーん、と嬉しそうに体当たりして、顔を私のヒザの辺りでスリスリする。
私も、初めのうちは、悪い気はしなかった。
そうか、そんなに嬉しいのか。エヘヘ、私、愛されてるなあ・・・、デレッ。
ところが、ある日、ハッと気づいた。
このコ、私で、顔を拭いてる・・・?
それから、毎日ようく観察していると、やっぱりそうだった。
顔に前足を持っていき、ゴシゴシと猫のように目をこすっている。
そのあと私に突進して、上下左右に頭を器用に動かしながら、私の服で、目やにを拭いている。
拭く、というよりも、なすりつける、と言ったほうが正しいかもしれない。
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