『1』

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「なにこれ?」 「一応、連絡用に。ほら、君は今からレンタロイドになるんだから携帯は使えないだろ?」 一通り説明を受ける。これは耳小骨に直接振動を送るから周りには聞こえないんだそうだ。 仕組みはよくわからないけど小声でしゃべれば同じような原理で通信できるらしい。 私にはなんだか難しい話だけど、なるほど。科学ってすごい。 「ねぇ。あたしは普通に接してればいいんだよね?」 「そうだね。それこそ、当時のようにしてればいいんじゃないかな。もし都合の悪い事があれば連絡くれれば大丈夫。」 「わかった。じゃあそろそろ行くね。」 「紗弥加ちゃん!!…頑張って。」 返事の代わりに笑顔で会釈をして店を出た。
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