《第一章》

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でも、これで今日の約束キャンセルせずに済んでひと安心…。 今日は〈結愛〉の仕事が朝からだったので早い時間に帰れる。 と、言ってもまっすぐ家に帰る訳ではない。 私が今、向かう先は〈結愛〉で働く前にお世話になっていた職場で【花】と言う名前の喫茶店…だったんだけど……。 私が辞めた後しばらくして、リニューアルしたらしくて今は【花*Cafe】と、名前もリニューアル。 外観も内装も可愛い造りに様変わりしていて、始め来た時は場所を間違えちゃったのかと1人で焦っていたら、ちょうど買い物に出ていた、この【花*Cafe】のオーナさんの奥さん、華(はな)さんに声を掛けられて無事到着。 リニューアルしたら、客層も学生さんから年配の方まで来て下さって、大忙しだと言っていた。そこへ遊びに行くのが最近の私の楽しみなのだ。 あ、急がなきゃ!?バスから降りて考え事をしながらトボトボ歩いていたら待ち合わせの時間より、少~しだけ過ぎてる…。 どうか、まだ来て居ませんよ~に…。そんな事を祈りながら【花*Cafe】の入口から中を覗くと……。 「おそ~~い!! オレの事こんなに待たせるって、どういう事だ~~みことォォ!」 こんなにって…。時計に目を向けると確かに遅刻だけど……。そんなにほっぺた膨らませて怒らなくても…。に、2分……。
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