《第一章》

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「この子、ここバイトの募集してないかって!」 華さんは、凄い楽しんでいる様なキラキラの瞳で私を見ている…。それを見た孝雄という、この人が私をじ――と、見て…。 「…お前、何食ったの?何で、ここで働きてーの?」 ……。何食ったの?「お前、頭いかれてんの?」って、言われている……訳ではないですよね? 「ケーキです。【当店おすすめケーキ】あのケーキの味が…好きに…なっちゃったので、ここで働きたい…と、思いました」 流石に【ケーキに一目惚れした】とは、言えずゴニョゴニョ言っていたら…。 「採用!!」 「…!?…」 二人が同時に大きな声で言って、笑いだしたので、ゆりと私はビクッ…絶対、体が浮いた…様な気がする。 勿論、直ぐに働く訳ではなくて…。 「お家に帰って、お父さん、お母さんに、ここでバイトしていいか許可貰って来て」 そう言って孝雄さんは【花】の名刺をくれた。 私が、そんな事もあったな~なんて、思い出している間に…。 「えっと…。コウ?これは何…」 私の目の前にある箱…二つ。 「見た事無いの?ケーキを持ち帰る時に入れて貰う箱」 ……。いえ、そこじゃなくて、何人分入るの?ってくらい大きいのに…それが二つも…。しかも、コウの目の前にも…ケーキが乗ったお皿が…私には見えるのですが…。 「そんな落ち込むなって~!可哀想だからオレの家で、みことにも分けてあげるから心配すんなって~」 ………。
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