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「ただいま~。コウが言ってたやつ無かったから別の買ってきたけどいいよね。今食べる?あれ、コウ…、私の携帯知らない?ここに置いて無かった?」
確か…夕御飯を食べている時に鷹矢さんからメールが来て返信した後…机の上に置いたと思うけどなぁ…。
机の下を見たり周りを探していると、また1人でゲームをしているコウが……。私の方をチラッて…見た様な…。
「うん、食べる。ついでにアイスの袋も開けて。…みことの携帯ならここにあるよ」
あれ、コウとゲームする時に、そっちに持って行ったのかな…。コウに渡すアイスの袋を外して、コウの目の前に差し出したら、タイミング良くゲームオーバーで…。項垂れながらアイスを私の手から受け取り、食べ始めたコウが言った言葉の意味が…。しばらく理解する事が出来なかった…いえ、今も…。
「あの…コウ、もう一回言ってくれる?」
「だ・か・ら・たかや、ってヤツが【今すぐそっちに迎えに行く!】って言ってた」
今すぐそっちに迎えに……?鷹矢さんが?
「え~っと…、どなたを?」
「…。みこと…だろ…。」
で、ですよね…、でも、鷹矢さんは今、出張で…帰って来るのは明日の夜…だよね?だから今すぐには…。でも、ここの場所を鷹矢さんに聞かれたコウは珍しく素直に教えた…って、何でこんな時だけ素直に答えたのよコウ!!
なんて、心の中でコウに八つ当たりをする私…最低だ…。鷹矢さんに隠し事をしている私が悪いのに……。
それでも、今はまだ……。鷹矢さんにばれる訳には…。
そんな事を考えている私に、コウが更に続ける。
「あ~、みことがコンビニ行て、すぐ電話きて…30分位で着く…って、言っていた様な…。」
コンビニへ向かってすぐ…、コンビニまで…片道5分位?え、でも私トボトボ歩いてたし…。
ぅわっ!?ダメ!30分位…ここへ来る!?
「コウ!!ごめん。私ちょっと出掛けてくる!」
「え~、みこと!」
コウに出掛けてくると叫んだ私は携帯だけを持って、急いでアパートの階段を下りながら、鷹矢さんへ電話をかけた。お願い…鷹矢さん電話に出て…。
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