《第一章》

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「鷹矢さん、彼は…。藤井コウヤ君。弥生さんの息子さんです…。」 私のが言った事に鷹矢さんが驚いて私を見た。 「みこと…何言って…。弥生さんにこんな大きな ガキがいる訳…」 コウを見て、鷹矢さんが信じられないのも…無理もない…と思う。鷹矢さんが弥生さんと会わなくなって、まだ…。 「ガキって言うなオッサン!来年には中学生だっつうの!!」 「は!? 中学生って…お前…。」 ……。鷹矢さんが驚くのも当然だと思う。コウはまだ小学6年生で…久しぶりにコウと会った私が一番驚いたから…。 3年ぶりに会ったコウは私の身長をすでにこして、もうすぐ170cmになると、散々自慢された…。 髪も美容師である弥生さんがカットしているし、オシャレな弥生さんの息子さんなのだから、やっぱり小さい頃から可愛い格好をしていた。 だから、コウの年齢を聞かなければ…。高校生位に見える…と思う。 だから、鷹矢さんも電話でコウの声を聴いて、まさか小学生だと思わなかっただろうし…コウ本人を見ても、やっぱり小学生だとは…どうしても思えない…。 コウは…きっと、お父さんに似たんだね…。 私達の立っている場所からは、コウの顔が影になっていて…。きっと、鷹矢さんにはまだちゃんとコウの顔が見えていない筈だから…。 コウの顔を見たら、すぐにコウのお父さんが誰なのか解るよ…鷹矢さん…。
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