《第一章》

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私が弥生さんと出逢ったのは、私が高校1年の終わり頃から始めたバイト【花*cafe】で、その時、コウはまだ2才で本当にまだ小さくて…可愛かったのに…。 弥生さんの働く美容室は【花*cafe】の近くにあって、よく来るお客さまだと思っていたら、なんと、華さんと弥生さんは高校生の時からのお友達。 華さんに弥生さんを紹介してもらった私は、弥生さんに本当の妹の様に可愛がって貰って、学校が休みになると弥生さんとコウの所によく泊まりに行ったりしていた私は…、弥生さんが結婚をしないで1人で、コウを産んで育てている事…。 その人の事を今でも愛している事も…。 でも弥生さんは、その人にコウがお腹の中にいる事を話さなかった…。 彼が夢を叶える為に頑張って大学に入る為に勉強をしているのを…子どもが出来た事を話したらきっと… 「自分の夢なんか簡単に放り投げて、私と子供の為に好きでもない仕事をしちゃうヤツだから…言えなかった…。」 そんなふうに言っていた弥生さんの事を私は…1ヶ月前に、ある人と話していて…私の胸が“ドクンッ”って…急に苦しくなって…弥生さんの事を思い出した…。 それに…。弥生さんの右耳に 1つだけ、つけていた赤い色のスタッドピアスの事を……。
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