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私には、妹の様に私の事を可愛がってくれた弥生さんも小さい頃からなついてくれているコウも大好きで幸せになってもらいたくて…。
それでも私が簡単に触れてはいけない事だったのかもしれない…今頃気付くなんて…。
そんな事を考えながら助手席の窓から外の景色を眺めていた。
「みこと何考えてる?」
ずっと 黙ったまま運転をしていた鷹矢さんに声を掛けられ私が鷹矢さんの方へ振り向くと、チラッと私の方へ視線を向けて優しく微笑んだ鷹矢さんの左手が私の頬を撫でた。
「みこと後ろに乗っているあの大きな箱は何?」
あ、忘れていました…。
私がコウとの待ち合わせに少しだけ遅れてしまった事、そのお詫びに何でも奢ってあげると言ったら…。大量にケーキを注文されてしまった事や、弥生さんと私が出逢った時の話しをしている間、鷹矢さんはずっとニコニコしながら聞いてくれていた。
そういえば私も聞きたい事が…。
「あの、鷹矢さん」
「ん?」
「出張から帰るのって確か明日の夜になるって言ってましたよね?何かあったんですか」
「ああ。本当は明日帰る予定だった。仕事の引き継ぎを急いで終らせて帰って来てみことの事、驚かそうと思って連絡したら、みことの携帯に“男”が出て俺の方が驚いたけどな」
そこまで言うと又、私をチラッ…。
「俺が帰って来なかったら、みことは俺以外の男の所に泊まって居たわけだ?」
「え!?だってそれはさっき鷹矢さんもコウと会って…コウはまだ子供ですよ。それに弥生さんも一緒です!」
「子供、ね」
そう言うと鷹矢さんは急に車を路肩に停車させた。
「鷹矢さん…んっ…ッ」
鷹矢さんは車を停めると自分のシートベルトを外し私に近付いてキスで私の唇を塞いだまま、私のシートベルトまで外してしまったので、どうしたんだろうと思っていると…。
急に!?“ガタンッ”私の座っているシートが後ろへ倒れたので驚いて目を開けたら一旦唇を離した鷹矢さんは瞳を細め啄むように何度もキスをして自分の腕時計を見た。
「早く帰らないとみことを抱く時間が無くなるな。いろいろ聴きたい事もあるしな…」
またチュッ…。鷹矢さんに…フッて、綺麗な顔で微笑まれたけれど?時間が無いって…。
「今のうちに寝てろ」
そう言ってさっきまで何かを考えていた鷹矢さんとは大違いで…。
今にも鼻歌を歌いそうなくらい上機嫌にみえるのですが…。
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