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──
「みこと、どこか観たい所とかある?…てか、みこと何か、いつもより背高くなってるし。
それ、歩きににくく無いの?」
コウがパンフレットを片手に、そんな事を聞いてきた。
「歩きににくくは無いけど、脚が痛くなる」
と、答える私に─
「何だよそれ、履く意味解んないし」
と、笑ったコウ…。
今日は、コウとデートなので、背が高くなったコウと歩いて可笑しくない様にヒールが12cmのパンプスにしたのだ。
だから、いつもよりコウを見上げなくてすむし、ここの植物園はコウが誘ってくれた場所で…歩く事を考えて今日の私は、ざっくりした大きめのニットにスキニーを合わせてカジュアルな格好にしたんだけれど、と。
───後ろをチラッとみる。
私達から、少し離れて歩く鷹矢さんと、薫さん…。
ジーンズに、VネックのTシャツ、その上にテーラードジャケットを羽織っただけのシンプルな格好なのに…。
長身で格好いい鷹矢さんは、雑誌から飛び出して来たみたいで…。
それに──
隣で、鷹矢さんに腕を絡ませて話し掛けている薫さんも綺麗なんだよね…。
はぁ~。
二人で何だか、さっきから楽しそうに話しながら歩いているし…。
本当の恋人みたい…。
「──!?」
「それ、みこと被ってて」
コウが、被っていたニットの帽子を私に被せた…?
コウを見ると。
「後ろから歩いている男(ひと)と同じ髪型してるの変じゃん。
…それに、あっちも楽しそうにしてるし♪」
……そうだね。
今日の私は、コウとデートなんだもんね。
コウが「はい」と言って、手を出してニッと、笑ったので、私も微笑んで手を繋いで歩きだした。
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