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──
私とコウは、観覧船に乗る事を決めて、そこへと向かう途中──
「コウ、弥生さん達の事、待っていた方が良かったんじゃない?
それに、ほら、コウの前に座っていた──」
「あ~、ダメだって、久し振りの再会なのに、オレがいたら邪魔だって。
あの人でしょ?
オレの親父。みことが言っていたように話しやすそうな人で良かった。
…あと、ちょっとビックリした。
みことが「似てるよ」て、言ってたけど、本当に似てたし」
にっ、と笑って見せたコウ…。
…本当は、弥生さんと話す為に会いに行った私は──
弥生さんの仕事が終わるまで【花*Cafe】で待っている間、華さん達と話していると。
「みこ、コウを見たら、きっと驚くよ~。あの頃より随分成長しちゃったからね。
ほら♪みこが来るって、この前からすっごい楽しみにしてたのよ」
そう言って、華さんは走って来るコウを見て笑った。
私も、華さんの見ている窓の外へと視線を移して──
大きくなったコウにも勿論、驚いたけど…それよりも…
私が…
「似てる…」
と、小さく呟いた言葉を…華さんは聞き逃さなかった。
…と、言うより、きっと華さんは私のリアクションを楽しみに見ていたら…私の違うリアクションを見て、華さんの方が驚いたのかもしれない。
「…みこ…?もしかして…航平の事…知ってるの?」
──華さんも…知り合いだったんだ。
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