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─
──
航平…。
別れ話をした、あの日──
あなたは
泣かずに済んだ?
三浦くんには悪いことしたと思うけど。
それでも──
私が帰った後…あなたが一人で悲しそうな顔をしていると思うと胸が苦しくて…。
あれから…
航平は…
笑って過ごしてくれた?
…私の…大好きだった
航平の、笑った笑顔で…。
航平が話してくれた夢は叶った?
『航平は、将来何かやりたい事とかあるの?』
『お!それ聴いちゃう?まだ誰にも言った事無いんだけど、特別に教えちゃおうかな♪
あ~、でも、聴いたら責任とって貰う、けど?』
…責任?
『…あの…』
すると航平は、右手の人差し指を自分の口の前に持ってきてにッと、笑った。
『俺さ、かーちゃんと二人じゃん…。
…女手一つで育ててくれたのに俺、そんな、かーちゃんに…反抗したり…それに、たまに反抗とか?』
『あははは。航平、それ反抗ばっかり』
『うん、だからさ、大学行って、ちゃんと仕事して金貯めて…自分で設計した、小さな家でも建てて親孝行してーな、て…思っていたんだけどさ…。
それから…そこに弥生も入ったから!小さな家から、大っっきな家を建てるべく!まずは勉強…頑張んねーと俺…はぁ~』
そんな風に話してくれた夢は
きっと、もう…他の誰かと…
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