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『弥生さん!! 俺を弥生さんの彼氏にして下さい!』
二人で会う様になって、映画を見終わった映画館のロビーで突然…私に右手を出して頭を下げた航平にビクッと、自分の肩が上がった。
『……』
『絶対に後悔させないので!! 毎日、弥生さんの事笑わせてあげるから…だから…俺と付き合って下さい』
…えっと。
ゆっくりと航平に近付いて、まだ頭を下げて右手を差し出している、その手に…自分の手をそっと重ねた。
…これで伝わるのかな…?
『キャッ…』
『やったぁ~!よっっしゃぁ~~!!
もう、キャンセル無しだからね、ね!』
手を航平の手に重ねた瞬間 航平が一瞬ビクッて動いたと思ったら、私の手を強く掴んで…気づいたら航平の腕の中に…。
すると、何処からともなく小さく
ぱち、ぱち、
…ん?
な…なに…。
──ぱち、ぱち、パチパチパチ
─ザワザワ
『……』
『ヒュー』
『すげーOKされてんじゃん兄ちゃん』
『おぉ~。サンキュー♪』
『ちょ、ちょっと!? 航平~サンキューじゃない。恥ずかしい!』
そう言って私が航平の手を引っ張って、近くの公園までの道のりを二人で走りながら 笑ったよね…。
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